【信用と計画】パラサイト 半地下の家族の感想【冒頭の部分が最大の謎】

2019年のアカデミー賞とカンヌ映画祭を沸かせた映画『パラサイト 半地下の家族』。

パラサイトはエンターテイメント性の高い韓国映画のくくりではなく、貧富の格差という世界中で起こりうる問題がテーマ。

この身近な問題をポン・ジュノ監督が見事に映像化。

社会派、かつブラック・コメディである『パラサイト』はなぜこれほどまでに高い評価をえたのでしょうか？

 

『パラサイト』のデジタル配信がやっとスタートしたのでどの動画配信サービスで見ることができるのかを調べてみました。

現状で見ることができるのはAmazonプライムのみ。

2020年7月3日(金)からはU-NEXTを含む他のVODでも動画が配信開始されます。

そこで本記事では

こんな疑問に応えます。

 

結論から言うと2020年7月現在無料で見られる動画配信サービスはありません。

AmazonプライムビデオやU-NEXTではレンタルすることで視聴することができます。

 

無料じゃないの？と思われるかもしれませんが、映画館に行ったと思えば全然お得に見られるのでむしろお得です。

映画館でコーラとポップコーンを買ったらチケットとあわせて2000円以上しますからね。

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映画『パラサイト 半地下の家族』の配信状況

※2021年7月現在の情報です。詳しくは各公式HPで確認をお願いします

無料で配信している動画配信サービスはまだありません。

 

これらの動画配信サービスに登録している方は上記の各リンクからすぐに見ることができます。

『パラサイト 半地下の家族』のあらすじと予告

まず『パラサイト 半地下の家族』のあらすじをどうぞ。

カンヌ国際映画祭では、審査員満場一致で［最高賞］パルムドールに輝いた『パラサイト 半地下の家族』。

タランティーノ、ジャームッシュら名匠の話題作を抑え、韓国映画として初の同賞受賞という歴史的快挙を成し遂げた。

その後も各国の映画祭を席巻。第92回アカデミー賞®国際長編映画賞韓国代表にも選出され、受賞が有力視されている。

メガホンを取ったのは『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』など、世界がその才能を絶賛する若き巨匠ポン・ジュノ。本作では、あらゆるジャンルを完璧に融合させながら、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判をも内包した、超一級のエンターテインメントとして描き切った。

韓国動員1,000万人突破、フランス動員150万人突破、香港・台湾では歴代パルムドール受賞作品において最多動員数を記録。さらには6か国で韓国映画の動員記録を塗り替えるなど、全世界で爆発的盛り上がりをみせる傑作が、いよいよ日本に上陸する。

過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。

大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。

美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。

“半地下”の家は、暮らしにくい。

窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。

「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。

引用：パラサイト 半地下の家族公式HP

今や韓国を代表する映画監督ポン・ジュノ。

日本の俳優陣や著名人のファンも多いポン監督の渾身の作品はカンヌ映画祭の最高賞である「パルムドール」、さらにはアカデミー賞の作品賞までも掴み取った。

作品はブラックコメディともいえず、完全な社会派ともいえず、いうなればポン・ジュノというジャンルなのではないでしょうか。

 

ここで『パラサイト 半地下の家族』の予告編をどうぞ。

予告編からは、なにやら物々しさが伝わって来ます。

最後の「ネタバレ厳禁」というフレーズに思わずゾクッとしてしまうのは私だけでしょうか。

 

予告編だけでも引き込まれるパラサイト。

実際に映画『パラサイト 半地下の家族』を見た感想を以下にまとめていきます。

 

※ネタバレも含まれます。ご注意ください。

パラサイト 半地下の家族の感想【信用と計画】

『パラサイト 半地下の家族』についてはどうしても触れられずにはいられないキーワードが2つあります。

それが｢信用｣と「計画」です。

この２つのキーワードに沿って感想と考察を述べたいと思います。

 

『パラサイト 半地下の家族』第1のキーワード「信用」

この主人公一家を観て思ったこと。

一家の暮らしを、今現在の自分と重ねた人がどれほどいることでしょうか。

 

こんな暮らしあり得ない。

とあざ笑うか、

それとも、

自分もまあまあ貧乏だが、あれほどまでにひどくない。

と、ある種の優越感や安心を感じるでしょうか。

 

クライマックスのパーティーの惨事の場面を観たときに、ふと、上記のことが頭に浮かびました。

 

裕福さ故に屈託がなく、人を疑うことを知らない美しい妻。

奔放な子供達、そして、社会的成功者である夫。

 

金持ちが貧乏人をいじめて、貧乏人が結託して仕返しをする、ような、単純で安いストーリーではない。

登場人物は誰一人悪人として描かれているものはいない。が、コンプレックスを刺激されます。

 

映画の冒頭にして最大の謎

特に印象に残っているのが冒頭の部分、息子がエリート大学生に仕事を頼まれるところ。

この部分の考察は他のメディアでもあまり触れられていません。

しかし、全ての始まりの重要な場面です。

 

友人は、自分の通っている大学の学生では信用できない、お前なら信用できる。

と、彼に依頼したが、本当にそうなのでしょうか。

信頼というよりは、こいつならあの一家の娘が相手にするはずがないと、誠実や真面目となどとは違う「信頼」を持っていたのではないでしょうか。

ひねくれすぎて、うがった見方をしているのかもしれないが。

 

『パラサイト 半地下の家族』第2のキーワード「計画」

映画の中で何度も「計画」という言葉が出てきます。

計画を立てれば必ず失敗する。

こんなことを常に思っている父・ギテクは映画の最後にとんでもない計画を立てる。

 

この計画が成功するのか、失敗に終わるのかは明確には描かれていません。

しかし、作品全体を通してのメッセージとして考えるとあの最後の回想シーンはギウの妄想にすぎないのではないか。

 

計画を立てることは何もおかしいことではない。

ただ、「無計画な計画」は自滅に導く「破滅の道」への入り口なのではないでしょうか。

この「計画」というキーワードを何回も出すことでポン・ジュノ監督はあえて「人生は計画どおりに行くはずがない」ということを伝えたいのだと感じます。

 

計画が無くても人生は、そして時間は流れて行く。

その限られた時間の中において、立ち止まって計画を練っている時間がどれほど必要なのか。

あるいは、流れに身を任せながら計画自体を変化させていくことが幸せにつながるのかもしれない。

というメッセージのように受け取りました。

 

パラサイト 半地下の家族の感想・まとめ

カンヌ映画祭の最高賞「パルムドール」、そしてアカデミー賞「作品賞」を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』はかなり染みる映画でした。

アカデミー賞でを作品賞を競った『ジョーカー』もヒリヒリして個人的には大好きです。

 

どちらも現代の人間の生き方そのものを鋭い角度からえぐった良作の映画になっています。

ただ、パラサイトにしかり、ジョーカーにしかり、どちらも心身ともに元気なときに視聴するのがおすすめ。

かなり深く、あなたの心をわしづかみにすることでしょう。

 

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